今回はベネフィットクレジットコイン(BCC)のレビューをしていきたいと思います。

ベネフィットクレジットコイン(BCC)とは

公式サイト(digitalcurrency-bcc.tokyo)によると、時価総額の最大50%を金で保全している暗号通貨だそうです。総発行数は50億枚で、5万BCC以上保有していると、毎月1%の金利が付くようです。

ベネフィットクレジットコインは長いので、以後BCCと表記します。

BCCは東京ゲートウェイという取引所で取引できるようです。

運営会社はデジタルカレンシー株式会社というところ。

このスキームの非常に大規模なもので、一つ一つ検証していく必要があります。

  • デジタルカレンシー株式会社
  • クレコインクラブ株式会社、クレコインクラブ
  • 株式会社ボンジェニKマイニング
  • 東京ゲートウェイ、XRPWallet

デジタルカレンシー株式会社について

まずは運営元であるデジタルカレンシー株式会社(digitalcurrency.tokyo)について検証してみます。

主な事業内容は

  • 金採掘事業
  • Webマネー発行、開発事業
  • クレジット決済事業
  • ITネットマーケティング事業
  • Webサイト制作

といったものです。

BCCに関しては

  • digitalcurrency-bcc.tokyo

という専用のドメインが用意されています。

-bccの方のドメイン情報を調べてみると、非公開設定になっています。

また、ドメインの取得日時が今年の3月26日となっており、取得してから日が浅いことがわかります。

本家の方のドメイン情報は公開されています。

登録者に「yuzuru matsuoto」という名前が確認できます。

メールアドレスで調べてみると、ノアーズアーク(noahsark.co.jp)という会社に行き着きます。会社同士で何らかの繋がりがあると見て間違いないでしょう。

デジタルカレンシー株式会社は2009年設立、代表取締役社長が「松田 智」という人物になっています。

クレコインクラブ株式会社とクレジットコインジャパン株式会社

デジタルカレンシー株式会社は、もうひとつクレコインクラブ株式会社という会社を持っているようです。

この会社について調べてみると、クレコインクラブ株式会社とは別に、「クレジットコインジャパン株式会社(creditcoinjapan.co.jp)」も見つかります。

住所はデジタルカレンシー株式会社に載っている住所と同じですが、会社名が若干異なりますね。

代表者は「ムルアカ ンゴキ」という人物(後でまた出てきます)。

そこで国税庁の法人番号公開サイトで2つの企業について調べてみると、本当に2つの会社が存在しています。

まず「クレコインクラブ株式会社(法人番号4010901039149)」ですが、

変更履歴情報を見ると、今年の1月29日に住所を「東上野1丁目19番1号KGKビル4階B」から、「東京都千代田区内幸町1丁目1番1号帝国ホテルタワー15F」に変更したことがわかります。

そして今回発見した「クレジットコインジャパン株式会社(法人番号9011001034762)」ですが、同じように変更履歴情報を見ると、住所が3月14日に「東京都千代田区内幸町1丁目1番1号帝国ホテルタワー15F」から「東上野1丁目19番1号KGKビル4階B」へと変更されており、クレコインクラブ株式会社と入れ替えられた形となっています。

また、サイト上で設立日が1997年3月と記載されていますが、国税庁HPでは法人登記されたのが2015年10月であることが確認できます。しかしこれはあくまで法人化した日付なので、虚偽かどうかは判断できません。

この2つの会社がそれぞれどういう役割を担っているのかは全くわかりません。

ちなみに「東京都千代田区内幸町1丁目1番1号帝国ホテルタワー15F」の方の住所は、バーチャルオフィスになっているようです。会社としての実体はなさそうです。

更に会社名で色々調べていくと、ローンチが行われた形跡が出てきます。

どうやらBCCは元々「クレジットコイン(XCC)」という名前で募集されていたようです。現在はLPは削除されているようです。

このバナーの問題点は、なぜかクレジットコインと関係のない東京JPYが出てくるところです。東京JPY「Aランク認定」と書かれていますが何がAランク認定なのでしょうか。そして何の再現性が100%なのでしょうか。

このローンチの仕方は怪しさMAXですね。クレジットコインに関しては案の定否定的な見方のサイトが多かったです。

クレコインクラブについて

そしてクレコインクラブ(crecoinclub.com)というものが存在しています。どうやらクレコインクラブを通じてBCCを購入すると、パーティ招待や子供向けのダンスレッスンなどを受けられるようです。

クレコインクラブは、「田中佑季とうなばらゆうのリッチなライフスタイル」という月1回のラジオ番組のスポンサーでもあるようです。

クレコインクラブの会員は4種類あり、BCCの購入額によってクラス分けされているようです。

  • シルバー会員: 5万BCC以上を購入、保有
  • ゴールド会員: 100万BCC以上を購入、保有
  • プラチナ会員: 300万BCC以上を購入、保有
  • VIP会員: 1000万BCC以上を購入、保有

どうやら会員によって受けられるサービスが異なるようです。

サイトのドメイン情報を調べてみると、デジタルカレンシー株式会社のドメイン情報と同じ「yuzuru matsumoto」という名前が載っているので、作成したのは同一人物かと思われます。

株式会社ボンジェニKマイニングについて

続いて株式会社ボンジェニKマイニング(bongeniekmining.tokyo)を見てみます。

BCCは金により担保されているとのことですが、金の採掘に関してはこの会社がやっているようです。採掘場所はコンゴのようです。

こちらのサイトのドメイン情報は公開されており、「NAOKI KAWATA」という名前が載っています。東上野に事務所があるみたいですが、ざっくり調べても詳細はわかりませんでした。

そして代表の名前が「ムルアカ ンゴキ ゴテ」と記載されており、クレジットコインジャパン株式会社の代表と同じ名前になっています。

また、株式会社ボンジェニKマイニングは去年の12月にクレジットコインの商標を出願していることが確認できます。

この会社について気になる点といえば、サイト自体が非常に簡素な作りであり、一生懸命金を売ろうとしている気が感じられないというところです。

ネットからは買えないですし、またはお店(実在するかはわかりません)の住所に来させようという気もありません。どちらかというと金の採掘をやっていますよとアピールするために作られたサイトに見えます。

これに関しては、デジタルカレンシー株式会社の事業内容に金の採掘事業とあり、それがまさか偽りであるとは考えにくいです。ただどのようにコンゴで採掘事業をしているのか、実際に採掘していたとしてそれをどのように販売して利益を得ているのかは見えてきません。何とも判断できません。

東京ゲートウェイについて

続いてBCCが上場しているという東京ゲートウェイという取引所について見てみます。こちらは私の憶測ですがデジタルカレンシー株式会社の関連とは別で、業務提携という形で進んでいると思っています。

2016年9月12日に設立ということで非常に新しい会社であり、代表取締役社長は「三上 剛」という人物。

まず「東京ゲートウェイ」という名前ですが、「東京JPY」というリップルの取引所となんとなく名前が似ています。というか意図的に似せて作られているんじゃないかと思っています(後述)。

そして東京ゲートウェイに関してはドメイン情報が非公開になっています。

所在地や代表者の名前が載っているのでわりと信頼はできますが、ドメインに関しては不安が残ります。

東京JPYの文章の盗用

サイトを見てみると「よくある質問」が、東京JPYに書かれている文章を丸パクリして書かれていることがわかります。

例を挙げると、

↑こちらが元サイトである東京JPYの文章です。

↑そしてこちらが東京ゲートウェイの文章です。

似ているどころか全く一緒です。

他の項目も同じように盗用されていることがわかります。これは真っ当な企業としてはやってはいけない行為です。

面白いのはこの記載です。「何の問題もないと思われます」という曖昧な回答で、いち企業としての回答としてはふさわしくないと思います。少し後ろめたいことをしている自覚があるのでしょうか。

新しいので仕方ないと言えばそうなのかもしれませんが、企業として個人情報やお金を預ける立場からすると不安です。

XRP Wallet?

東京ゲートウェイのトップページでは、推しウォレット以外を軽く貶しています。

天下のGATEHUB様もご覧の有様。取引所は個人が書いてるサイトとは違うんですよ。このあたりからも企業としての姿勢を感じることができません。

そしてこれが推しウォレットであるXRP Wallet(xrpwallet.org)です。「!」が使われており他のウォレットの文章とは雲泥の差です。

ちなみにこのウォレットですが、一見リップルの公式っぽくて凄そうに見えますが全くの別物です。

サイトを調べてみると、ソースの中に日本語が見つかります(config.js内)。このことから日本人が作ったものであることがわかります。

ちなみにホスティングサーバーの位置も日本と出ています。

私の推測ですが、これだけXRPWalletを推すということはおそらく東京ゲートウェイがやっているものだと思われます。紹介文に「日本初のパートナー」、「近日日本語対応決定」という記載があり、海外の企業を装っていますが、さすがに嘘を書いておりアウトです。

東京ゲートウェイは有名なものに名前を似せて乗っかろうとしている姿勢が感じられます。東京JPYからの文章の盗用や虚偽の記載もあり、信用はできないでしょう。

個人情報やお金を預ける立場としては気を付けたほうが良いです。

ベネフィットクレジットコイン(BCC)総評

さて、一通りの情報が揃いました。これを踏まえた上でBCCがどうなのかというところを考察していきます。

一番の問題点は、この通貨が何の目的で発行され、何の用途で使用されるべきなのかが全くわからないということです。

通常、資金調達目的で暗号通貨を発行する場合は、事前にそういったものを明記したものを出します(事業計画書、ホワイトペーパー)。しかしBCCにはそれが一切見当たりません。

クレコインクラブに関しては、通貨を「保有」するとサービスを受けられるというものになっております。要するに通貨として流通させる気はなく、保有させることを重要視していることがわかります。

この考え方は、通貨ではなく株に近いです。5万枚保有すると毎月1%配当されるところも似ています。しかし株と大きく違うのは、株主としての権限を持てないところです。

どういうことかというと、企業が自分達の飲み代を調達するためにBCCを売って値下がりしたとしても、保有者は責任を追求することができません。

これは保有者が危険な立場に晒されていることを意味します。

次に時価総額の最大50%を金で保全している暗号通貨とのことですが、どのようにそれが保全されるのかがわかりません。そして「最大」50%ということは、場合によっては30%でも10%でも0%でも良いということです。というか本当に金の採掘事業をやってるのかすらも見えてきません。現状は単に東京ゲートウェイで売り買いできるだけにしか思えません。

BCCは元のクレジットコインからわざわざ名前を変えていますし、当時のローンチの仕方からも怪しさがあります。

また、BCCが取引できる東京ゲートウェイという取引所は、他サイトからの文章の盗用や企業としての姿勢も乏しく、嘘も書くので信用できません。要注意と言えます。

BCCの板

BCCの実際の板を見ると、5月27日時点でBidが3.5円、Askが9.125円となっています。要は成行で買おうとすると9.125円で買われ、成行で売ろうとすると3.5円で売られるということです(約5.6円分近く損します。)。

BidとAskが開いている時は、3.5円に指値買いオーダーを置いて、成行で売ってくれる人を待つのが賢い買い方です。そうすると誰かがBCCを売った時に3.5円で買うことができます。通貨を売る時もしかりです。ですが、BCCを購入しようとする人のすべてがそれを理解できているとは思えません。

付け加えると、もしクレコインクラブから購入するとなると、チャートからではなくクレコインクラブの言い値で販売されることになります。つまり指値オーダーを置いていれば3.5円で買える可能性があるところを「今の価格は9.125円です」と言われればその値段で買うしかなくなるということです。

今「5月中なら5円で買える」という情報が出回っていますが、スプレッドを考慮すると別に安くもなんともないです。

最終結論

BCCは詐欺であるかと聞かれると、そうであるとは言い切れません。しかし何の用途でBCCを発行しているのか、将来何の用途で使われるのかが全く見えていない通貨であり、非常に怪しいものではあります。

BCCの保有は非常にリスクが高いということは肝に銘じておくべきです。

妥協点としては、

  1. 運営であるデジタルカレンシー株式会社の経営者が信用できるかどうか
  2. 今後事業が上手くいき、それに伴いBCCの保有者が増えていくと思うか
  3. クレコインクラブのサービスを受けるメリットがあるか
  4. 東京ゲートウェイで取引するリスクを許容できるか

というところをよく考えて最終判断をするのが良いと思われます。